2007年05月17日 (木) | 編集 |
息子2号を塾に送っていく道すがら、事故に遭ったコを見かけた。
にゃんこだ、車にぶつかったのだ。片側一車線の車道の中ほどに
倒れているそのコを、車が次々に除けて走っていく。
私も、息子2号を塾へ届けなければならない。時間はぎりぎりだ。
帰りまで、どうぞあのコがあれ以上、車に轢かれませんように…。
息子2号を塾で下ろし、大急ぎで引き返す。
途中のスーパーで段ボール箱をひとつもらい、あの場所へ急ぐと、
若いカップルが車道にうずくまっている。あのコのところだ!
轢かれてしまったネコに覆いかぶさるように、もう轢かないでと
ニンゲンが盾になっている。ああ、優しい人はちゃんといるんだ。
「箱、もらってきました!取り敢えず避難しましょう」
彼女は、持っていた紙袋を破いて、毛布のように掛けてあげていた。
シノンより一回り大きいそのコを、滑らせるように箱の中へ導く。
「通りすがりの方ですよね?私もですがお預かりします」と言うと
「いいんですか?あの、まだ温かいので、助かってほしいんです」
息があるなら一刻を争う。自宅へ戻り、電話帳を片っ端からさらう。
群馬には、動物の24時間救急病院はない。病院は7時頃には閉まり、
入院設備があっても、夜は無人の病院が殆どだ。
8時。もう誰も電話に出ない。RRRRR…
「夜分すみません!交通事故のネコちゃんを拾いました。診察を…」
留守番電話に吹き込むこと数件、運良く獣医師が出ても
「いやあ、面倒見られないね。他をあたって」
この人ホントに動物を助けようと思って獣医をやってるんだろうか。
8時半「…すぐ来られるなら、待っていましょう」と一軒の病院!
やった!やった!ネコちゃん!行こう!助かるかも知れないよ!
T動物愛護病院。院長は≪山へ芝刈に≫行きそうな優しそうな初老。
「ああ頭をやられてるねえ。脳挫傷だ。ぶつかったなんてもんじゃ
ない、頭蓋骨の上をタイヤが通ったんだ。
心音もない。気の毒ですが、死亡を確認しました」
頭蓋が半分ぺちゃんこになり、眼球の出た遺体を、先生は抱き上げ
箱に戻してくれた。ごめんね、ネコちゃん。ニンゲンのせいで。
私も乗りまわしているこの車が、時に凶器となって小さな命を襲う。
ごめんね。怖い思いをさせて。痛い思いをさせて。
「即死だったでしょう」と先生が言う。「長く苦しまなかったなら
その方がいい。最期にあなたのような人に逢えたのもよかった」と。

本当に?本当にこの事故に“よかった”事なんてあったんだろうか。
本当なら、事故にさえ遇わなければ、もっと生きられたのに。
ごめんね、ネコちゃん。ごめんね、ごめんね。ニンゲンのせいで。
「市の清掃局に持ち込んで、野良猫だと話せば、無料で引き取って
火葬してくれますから、明日電話してください」とメモをいただく。
診察料 2630円
それでいいのかも知れない。でも。ごみと一緒に焼却炉に投げ込ま
れるところを想像してしまう。何のために、あのカップルが囲いを
作って守ってくれたのか。こんなに綺麗な毛並みなのに。

もう死臭のするそのコに花を捧げ、ドライアイスを隅に入れた。
名前を付けてあげよう。私と出逢った記しに。
明日、赤城山の麓のペット霊園へ。
ごめんね、アノン。助けてあげられなくて。キミのこと忘れないよ。
どうぞ安らかに眠ってください。
追記
コメント欄にも書きましたが、車中話しかけている間に、何となく
もっとしっくりくる名前が浮かんでしまって、霊園ではそっちの名
を伝えて葬儀をしていただきました。「あみん」漢字を当てるなら
「安眠」…出逢った時にはもう繋ぎ合う事も叶わなかった命だけど
たくさんの祈りを込めて。
LunaWorksさん、早々にコメントくださったのに、ごめんなさい。
そして、ありがとう。この子を知ってくださって、祈ってくれて
本当にありがとう。
にゃんこだ、車にぶつかったのだ。片側一車線の車道の中ほどに
倒れているそのコを、車が次々に除けて走っていく。
私も、息子2号を塾へ届けなければならない。時間はぎりぎりだ。
帰りまで、どうぞあのコがあれ以上、車に轢かれませんように…。
息子2号を塾で下ろし、大急ぎで引き返す。
途中のスーパーで段ボール箱をひとつもらい、あの場所へ急ぐと、
若いカップルが車道にうずくまっている。あのコのところだ!
轢かれてしまったネコに覆いかぶさるように、もう轢かないでと
ニンゲンが盾になっている。ああ、優しい人はちゃんといるんだ。
「箱、もらってきました!取り敢えず避難しましょう」
彼女は、持っていた紙袋を破いて、毛布のように掛けてあげていた。
シノンより一回り大きいそのコを、滑らせるように箱の中へ導く。
「通りすがりの方ですよね?私もですがお預かりします」と言うと
「いいんですか?あの、まだ温かいので、助かってほしいんです」
息があるなら一刻を争う。自宅へ戻り、電話帳を片っ端からさらう。
群馬には、動物の24時間救急病院はない。病院は7時頃には閉まり、
入院設備があっても、夜は無人の病院が殆どだ。
8時。もう誰も電話に出ない。RRRRR…
「夜分すみません!交通事故のネコちゃんを拾いました。診察を…」
留守番電話に吹き込むこと数件、運良く獣医師が出ても
「いやあ、面倒見られないね。他をあたって」
この人ホントに動物を助けようと思って獣医をやってるんだろうか。
8時半「…すぐ来られるなら、待っていましょう」と一軒の病院!
やった!やった!ネコちゃん!行こう!助かるかも知れないよ!
T動物愛護病院。院長は≪山へ芝刈に≫行きそうな優しそうな初老。
「ああ頭をやられてるねえ。脳挫傷だ。ぶつかったなんてもんじゃ
ない、頭蓋骨の上をタイヤが通ったんだ。
心音もない。気の毒ですが、死亡を確認しました」
頭蓋が半分ぺちゃんこになり、眼球の出た遺体を、先生は抱き上げ
箱に戻してくれた。ごめんね、ネコちゃん。ニンゲンのせいで。
私も乗りまわしているこの車が、時に凶器となって小さな命を襲う。
ごめんね。怖い思いをさせて。痛い思いをさせて。
「即死だったでしょう」と先生が言う。「長く苦しまなかったなら
その方がいい。最期にあなたのような人に逢えたのもよかった」と。

本当に?本当にこの事故に“よかった”事なんてあったんだろうか。
本当なら、事故にさえ遇わなければ、もっと生きられたのに。
ごめんね、ネコちゃん。ごめんね、ごめんね。ニンゲンのせいで。
「市の清掃局に持ち込んで、野良猫だと話せば、無料で引き取って
火葬してくれますから、明日電話してください」とメモをいただく。
診察料 2630円
それでいいのかも知れない。でも。ごみと一緒に焼却炉に投げ込ま
れるところを想像してしまう。何のために、あのカップルが囲いを
作って守ってくれたのか。こんなに綺麗な毛並みなのに。

もう死臭のするそのコに花を捧げ、ドライアイスを隅に入れた。
名前を付けてあげよう。私と出逢った記しに。
明日、赤城山の麓のペット霊園へ。
ごめんね、アノン。助けてあげられなくて。キミのこと忘れないよ。
どうぞ安らかに眠ってください。
追記
コメント欄にも書きましたが、車中話しかけている間に、何となく
もっとしっくりくる名前が浮かんでしまって、霊園ではそっちの名
を伝えて葬儀をしていただきました。「あみん」漢字を当てるなら
「安眠」…出逢った時にはもう繋ぎ合う事も叶わなかった命だけど
たくさんの祈りを込めて。
LunaWorksさん、早々にコメントくださったのに、ごめんなさい。
そして、ありがとう。この子を知ってくださって、祈ってくれて
本当にありがとう。
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